重ねて埋もれた悲しみ:ホメオパシーで長く埋もれていた喪失感を癒す
- hirokohomeopathy
- 5月19日
- 読了時間: 6分
悲しみは必ずしも新鮮なものではありません。何十年も前の喪失体験が、私たちの生活に静かに織り込まれていることもあります。それらはいつも涙をもたらすわけではありません。体の緊張、慢性的な疲労、不安、あるいは漠然とした、「何かが欠けている」という感覚として現れることもあります。
ホメオパシーでは、言葉にされず、解決されていない悲しみを重ねた人に、出会うことがよくあります。そして、その悲しみを優しく解きほぐしていくと、驚くべきことが起こるのです。

#1 - 未処理の悲しみ:私たちが背負っていることを忘れている重み
完全に表現されていない悲しみは、消えるのではなく、形を変えるだけです。次のような人に見られるかもしれません。
親密な関係やつながりを避ける
働きすぎたり、常に忙しくする
明確な原因のない、消化器のトラブルを抱えている
不安やパニック発作を経験する
感情が「平坦」になったり、麻痺したりする
「それ以来、以前と同じではなくなった・・・」という
多くの場合、こういった人々は「悲しんでいます」といって、コンサルテーションに来るわけではありません。不眠症、燃え尽き症候群、ホルモンバランスの乱れ、あるいは、自己肯定感の低下、などといった問題を抱えて助けを求めに来ることもあります。
しかし、注意深く、耳を傾けて、時間をかけて聞いていくと、遠い昔の感情が浮かび上がってきます。例えば、兄弟の死、流産、破綻した関係、親の不在などです。こうした瞬間は、一度埋もれたものが、徐々に和らぎ始めます。
#2 - ホメオパシーはどのように明らかにし癒していくのか
ホメオパシーは、その人の性格の形成も含め、人全体を癒します。クライアントさんに、トラウマを詳細に追体験してもらう必要はありませんが、感情のトーン、身体的な症状、そしてエネルギーパターンに細心の注意を払います。特定のレメディは鍵のように働き、凍りついた悲しみを解き放ち、安全に、徐々に感じ、開放することを可能にします。
ここに、長い間埋もれていた悲しみによく使われるレメディをいくつかご紹介します。
スタフィサグリア(Staphysagria)
抑圧された感情は、屈辱感、拒絶感、裏切り感から生じることがよくあります。これらの感情は、不当な、あるいは「飲み込まれた」ように感じられる悲しみとしばしば結びついています。人は一見、落ち着いていたり、過度に礼儀正しく見えても、深い心の傷を抱えていることが多いこともあります。
イグナチア(Ignatia amara)
悲しみが、泣き笑いが交互に現れたり、気分が急激に変化するなど、感情の矛盾を引き起こすことがあります。これは悲しみの初期段階や、ショックを乗り越えていない人によく見られます。症状としては、喉に何かが使えている感、ため息、神経の緊張などが挙げられます。また、怒りやすく、感情の起伏が激しく、人からの慰めを嫌がります。
ナット・ミュア(Nat Mur)
悲しみや叶わぬ愛から生じる症状に。表現しない静かな悲しみ。過度に真面目で几帳面で、責任感が強い。悲しいのに泣くことができない。人といることを嫌い、ひとりになりたい。過去の悲しみや屈辱に囚われている。
ナックス・ボミカ(Nux Vomica)
ナックスのパーソナリティは、まるで失敗のように感じられる、起こるべきではなかった、あるいは対処できるはずの出来事のような、些細なことや喪失感を決して忘れません。これらの気持ちは、うつや失敗を示唆するものではありませんが、消化器症状に影響を及ぼし、疝痛(腸の痙攣間から来る痛み)や消化不良を引き起こすこともあります。
コウスティカム(Causticum)
悲しみが、裏切りのように感じたり、感情的に辛く、心を蝕みます。恨みを抱き、長く続く悲しみと、激しい感情によって弱ることで体調を崩していきます。「不当感」がキーワードです。
オーラム・メット(Aurum Met)
悲しみ、恐怖、怒り、失恋、矛盾、そして抑圧された不快感から、さまざまな不調を生じます。見捨てられたという感覚。全くの無価値感、自殺願望、自己嫌悪(自殺願望がある場合は、サマリタンズ、医師やホメオパスに連絡をし、すぐに支援を受けるようにしてください)。
フォスフォリック・アシッド(Phosphoric Acid)
このレメディは重度のうつや無気力に悩む人、特に静かで長期にわたるうつに悩んでいる人に使われます。主な懸念は、軽減することが困難な将来に対する不安を抱えていることです。
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#3 - 悲しみに期限切れはない
癒しに期限はありません。時には、体が準備した時を察知し、過去の感情を表面に浮き上がらせ、意識を向けさせます。ホメオパシーの素晴らしいところは、このタイミングを尊重することです。何も強制しません。個々に必要なレメディを、適切なタイミングで使用することで、一度に全てではなく、その人の準備が整うにつれて、波のようにゆっくりと、悲しみを優しく解き放つことができます。
#4 - ホメオパシーの役割:症状の裏にある物語を受け入れる
この過程において、存在感はレメディと同じくらい重要です。ホメオパシーは、人々に見守られていると感じられる、神聖で安全な空間を提供します。時には何十年ぶりに、その感覚を感じられることもあるでしょう。それ自体が、古いパターンを変え始めるきっかけとなるのです。レメディも役立ちますが、真に見守られていると感じられるプロセスこそが、最も深い癒しの始まりとなることがよくあります。
#5 - 最後に
悲しみは、奥深く眠っているかもしれませんが、完全に決して消えることあありません。しかし、時が来れば、それは危機としてではなく、招かれるものとして迎え入れられるのです。心を感じ、柔らかくし、再び繋がるための招待状です。ホメオパシーは、優しさ、敬意、そして深い思いやりと共に、道しるべを提供します。
もし、何年も静かな悲しみを抱えてきたなら、これだけは覚えておいてください。
癒しはまだ可能です。過去に戻って全てを追体験する必要はありません。でも、一つずつ手放していくことはできるのです。
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Love and gratitude
Hiroko
Reference:
Murphy.R., (2006). Nature's Materia Medica, third edition, Lotus Health Institute. Blacksburg, Virginia, United States
Smith.T.,(1984) The Homeopathic Treatment of Emotional Illnesses, A Self-help Guide To Remedies Which Can Restore Calm and Happiness. Third Edition. Thorsons Publishers Inc. Wellingbrough, Northamptonshire. United Kingdom
Lockie.A and Geddes.N., (1994). The Women's Guide To Homeopathy. First U.S. edition. Hamish Hamilton Ltd. United Kingdom