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生理痛とホメオパシー

Updated: Apr 13

多くの女性が悩んでいると言われる月経痛、生理痛、PMS(月経前症候群)。月経不順、生理不順を伴う方もいるでしょう。

痛み止めで何とか毎月を過ごしている方へ。



薬局窓口でも相談の多い月経痛。


多くの女性が悩んでいると言われる月経痛、生理痛、PMS(月経前症候群)。月経不順、生理不順を伴う方もいるでしょう。


人によって要因は様々なので、本当はホメオパスときちんとコンサルテーションをしてもらうのが、最良の方法ですが、やはり困っている方が多いので、ここに書くことにしました。


初潮からしばらくは、生理が不安定なのはよくあることで、思春期に入り、自分のリズムを作ろうとして、ホルモンバランスを整えているため。


月経のアンバランスは、体の中で何が起こっているのかを、伝えようとしているサインでもあります。ここで、その信号を受け止め、原因を見つけ出し、トリートメントをすることが理想です。


しかし、この時点で、お医者さんにかかると、イギリスでは「低用量ピル」を導入することになるのが典型的。


体がリズムを作ろうとしている大事なときに、ピルを導入すると、生理は定期的に来るかもしれないですが、それは、人工的に作り出している月経。


体が自分のリズムを学ぶ前に薬を使うことで、自然なリズムを生み出せないままになってしまいます。

後で、結婚して、「子供が欲しい」となった時に、さて、「自分の体がリズム良く戻れるのか?」というと、人によっては、そうでない場合もあります。


月経痛もピルを使ってはいないけれど、痛み止めで、何とか毎月乗り切っているという方も多いでしょう。


また生理痛と共に、生理不順でお困りの方にも、ぜひ読んでいただきたいです。


今回は、ホルモンバランスを整え、生理痛を和らげるための、5つの秘訣をお話しします。


Tip #1


ストレスを溜めない


試験、受験、仕事の交渉、仕事の期限など、普段から、ストレスに晒されることが多い現代の生活。ストレスに晒されると、人は「Fight or Fright(戦いまたは恐怖)」といって、今の現状を生き残るべく、人の体は、ストレスホルモンが放出され、危険な状況に対応できるように体が働いて行きます。


人間の体は「生き残り」が最優先。生殖機能の働きは、危険な状況を体が感知すると「後回し」になってしまいます。


性ホルモンを作るために使われる(Pregnenoline : プレグネノロン)は、ストレス対応のためにも、利用されます。ストレス対応のために、これが多く取られてしまうと、性ホルモンを作って産生するための分け前が、少なくなり、足りなくなってしまいます(図1)。


図1 :Pregnenolone Steal (プレグネノロンの盗用)Instagram:hirokohomeopathyより




そのため、ストレスを溜めない生活が大事。「そうは言っても・・」という方もいらっしゃるでしょう。人によってはストレスを溜めやすい性格もあります。自分で「なぜ、ストレスを溜めてしまうのか?」の独自のパターンを観察し、理解して付き合うのも一つです。


Adaptogen(アダプトジェン)という種のハーブは、ストレスに対応しやすくしてくれるハーブ。Ashwagandha(アシュワガンダ) やRhodiola rosea(ロディオラロゼア)といったハーブのサプリメントを取り入れるのも一つ。


Magnesium(マグネシウム)は神経に働き、リラックスさせてくれるミネラル。ストレスの多い現代の生活では、ほとんどの人が足りないと言われています。ストレスを感じるときには、質の良いMagnesiumのサプリメントを取るのも良いでしょう。


Zinc(亜鉛)は生殖器に大事なミネラル。毎日食事から、足りないときにはサプリメントも併用しましょう。


VitaminC(ビタミンC)は抗炎症作用があります。ストレス下においては、常に補給しておきましょう。食事から、または必要な時はサプリメントを利用して補給するようにしましょう。


Caffeine(カフェイン)を摂る事で、一時的に副腎を刺激し、ストレスホルモンのレベルを上げ、危機に対応しやすくしてくれます。しかし、過剰に利用すると、副腎が疲弊をきたし、ホルモンバランスが崩れてくることがあります。

ホルモンバランスが崩れているときは、リズムを取り戻すまで、量を控えた方がいいでしょう。



Tip #2


規則正しい生活習慣を


睡眠は、ホルモンバランスを戻してくれる、体が回復する時間です。時差ぼけや、夜遅くまで起きていると、この回復のチャンスを逃してしまいます。

中医学では、睡眠の時間は、臓器の回復時間と相対していることが言われています。最低でも、夜10時から2時までの間は、寝ておくようにしましょう。


食生活においては、ビタミン、ミネラル、タンパク質などといったバランスも大事ですが、時間を決めて食べるようにしましょう。

仕事が忙しくて食事を抜いたりすると、体に負荷がかかり、ホルモン分泌に影響を及ぼします(飢餓モードに入り、生殖ホルモンは後回しになってしまいます)。


便秘がちな方は、不要になったホルモンが腸から再吸収され、ホルモンバランスを崩すこともあります。発酵食品を食事に取り入れ、難しければ、プロバイオティクスを活用しましょう。

食事に気をつけ、便秘を解消しただけで、生理痛がよくなった、という方もいます。

規則正しい排便のリズムを作り出して行きましょう。



Tip #3 -


合成物、化学薬品、添加物、重金属など、不要なものを体に入れないようにしましょう。


食べるときに、食事に入っている添加物や、包装や容器に入っているプラスチックやアルミなど、その他にも、調理時に使う器具が化学物質でコーティングされているものなどは、溶け出して、ホルモンバランスにも影響すると言われています。

これらのことを「内分泌かく乱物質」と言い、「環境ホルモン」や「ゼノエストロゲン(xenoestrogen)」とも呼ばれています。


食べ物を買う時、調理、保存する時のプラスチック容器や、ペットボトルの利用はできるだけ控えるようにしましょう。


また、農薬、添加物、保存剤なども、気をつけましょう。できるだけ、有機、無農薬の食べ物を利用し、調理器具、調理方法にも気をつけて食事をしてください。


体につけるクリームや化粧品なども、皮膚を通して吸収されます。成分表示を確認し、自分の皮膚につけるものにも気を使うようにしてください。


自然でないものは、肝臓が「食べ物じゃない」と判断し、解毒しようと一生懸命働きます。ここで、肝臓に負担をかけすぎず、解毒がスムーズに行えるように、不要な人工物を体に入れすぎないようにすることは大切です。


重金属は、排気ガスや薬剤、調理器具から溶け出したものなどが、考えられます。また、人によっては、住んでいる地域によって、環境に重金属が多い地域もあるでしょう。


心当たりがある方は、一度毛髪ミネラル分析を行ってみても良いでしょう。


ホメオパシーを使って、重金属や化学薬品ををデトックスすることもできます。症状との関連が気になる方は、ホメオパスとコンサルテーションをすることをお勧めします。



Tip #4 -


デトックス


上記でも述べているデトックス。

体にある不要なものが、ホルモンバランスを崩していることも考えられます。


十分に体調を整えてから、デトックスを始めることをお勧めします。


ホメオパシーのコンサルテーションでも、個々の状態にあった、デトックスプログラムを組んで処方をしています。


過去に書いたブログ「デトックスの鉄則」もどうぞご参考ください。





体から余計なものを出し、肝臓が滞りなく働くように整え、スムーズに余分なホルモンが出て行くようにしていきましょう。


Tip #5


生理痛によく使われる、ホメオパシーのレメディ


生理痛に使うホメオパシーのレメディはたくさんあります。本当は、人によって、それぞれ違った特徴に合わせて、処方するのがベストですが、ここに8つ、よく使われるレメディをご紹介します。


Magnesium Phos (マグフォス)


キューっとした痛みが、発作的にやってくる。温めること、押さえる、動くことで痛みが和らぐ。前屈みになったり、経血の流れが始まると落ち着いてくる。卵巣あたりの刺すような鋭い痛みにも。


Cimicifuga(シミシフーガ)


腰の痛みと共に、出血が多い。痛みが骨盤全体にわたり、左右に移動するように痛みがある。子宮が締め付けられるような痛みで、頭痛が何日かして生理がやってくるときに。痛みが卵巣あたりだけでなく、太腿まで広がる感じがするときに。


Colocynthis(コロシンシス)


卵巣あたりに重くだるい痛みを感じる。前屈みになり、じっとしていられない。月経が頻回に来る。食べたり飲んだりすることで悪化する。怒りからくる痛み。


Belladonna(ベラドンナ)

脈打つようなドクドクとする激しい痛みに。右側に症状があり、突然症状が現れる。経血が真っ赤で、塊があり、熱を持っているような感じで、量が多い。子宮がパンパンになっている感覚がし、重い痛みがある。横になると落ち着く。


Chamomilla(カモミラ)

敏感で過敏に反応しやすく、痛みに耐えきれない。イライラし、怒りっぽい、感情的になりやすい。真っ赤な経血が一気に出て、塊も見られる。横になると悪化する。冷たい飲み物や冷やすことで痛みや気分が落ち着く。


Lachesis(ラケシス)

PMS(月経前症候群)による、イライラ、嫉妬、落ち込み、頭痛、ほてりなどが、月経が始まると落ち着いてくる。1日目に痛みがひどく、特に左側、卵巣あたりに痛みを感じる。子宮や卵巣あたりの痛みが、経血が流れてくると落ち着いてくる。月経の量が少ないと痛みが増す。


Pulsatilla(プルサティラ)

生理が不定期で、経血の流れのパターンも変化する。重い痛みを感じ、横になると悪化する。経血が暗い赤でドロドロしている。日中や歩いている時に経血が起こりやすい。

涙もろく、気分が変わりやすく、気にかけられることを好む。


Sepia(セピア)

生理が不定期で、早く来たり、量が多い。また生理が遅れて、臭いがする。生理痛とともに経血の臭いが強い。重い引きずるような痛みがあり、子宮が落ちてくるのかのような感覚があり、足を組まないと落ち着かない。陰部から子宮へ、下から上に向かって刺すような痛みがある。性欲が低下する。

怒りや疲れやすさ、冷え、イライラなどを呈することも。



レメディの使い方としては、痛いときには、30cを2時間おきに。次の日からは1日3回で。痛みが良くなったら、減量または中止して様子を見てください。


これらのレメディは一時的に痛みを和らげるもの。使っても、毎月繰り返す場合、回復傾向に見られない場合は、ホメオパスときちんとコンサルテーションを行った方がいいでしょう。


特に低用量ピルやホルモン剤を使用した経験のある方は、ホメオパスとコンサルテーションすることをお勧めします。


私もホメオパシーのコンサルテーションを行っています。

また、15分の無料コンサルテーション枠では、どのように、ホメオパシーを利用して、セッションが進んでいくのか、お話ししています。


興味のある方は、下記のボタンから、どうぞご予約ください。



参考文献 :

Briden, L 2nd Edition (2018) Period Repair Manual. Natural Treatment For Better Hormones And Better Periods. Greenpeak Publishing.



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