口内環境と腸内環境の意外な関係
口の中とお腹の健康は、思っているよりもつながっているかもしれません。
口内環境と消化器の健康について、口腔内細菌、胃酸逆流、日々のケアなどから考えてみます。

#1 - 口の中と消化器の健康
口の中にあるものは、食べ物でも細菌でも、飲み込まれることで消化器へ入っていきます。
身近な例では、食べ物にあたって、下痢や発熱などの症状を経験したことがある方もいるのではないでしょうか。
そう考えると、普段から口の中の環境を整えておくことも、消化器を含めた体全体の健康を考えるうえで大切なのではないかと思います。
今回は、口内環境と消化器の健康にはどのような関係があるのかについて考えてみたいと思います。
#2 - 私自身が気づいたこと
今回このテーマについて書こうと思ったきっかけは、私自身の経験でした。
ある時、歯科の定期検診で虫歯を指摘された時、振り返ってみると、自分が胃酸過多になっていることに気づき、これが関係していたのかもしれないと気付かされました。
そこで、それまで別々のものとして考えていた「胃の状態」と「口の中の状態」に、もしかすると関係があるのではないかと考えるようになりました。
その後、ストレス管理を見直したり、ホメオパシーのレメディを取り入れたり、歯磨きにまつわる習慣を変えたりすることで、自分自身の状態を見直すきっかけになりました。
この経験から、消化器の状態を見る時にも、口の中の状態を一緒に見ていくことが大切なのではないかと感じています。
#3 - 口内細菌と腸内細菌
口の中には、たくさんの微生物が存在しています。
腸内と同じように、口の中にもさまざまな細菌が共存しており、現在ではこれらをまとめてoral microbiome(口腔内細菌叢)として考えることがあります。
大切なのは、「良い細菌」と「悪い細菌」を単純に分けることだけではなく、さまざまな微生物が存在する環境全体のバランスです。
食生活や口腔衛生、唾液の状態など、さまざまな要素がこの環境に関係しています。
そのため、口内環境を整えることは、単に歯をきれいに保つことだけではありません。口の中の環境全体を健やかに保つことも大切です。
#4 - 口は消化器の入口
口は、消化器の入口でもあります。
食べ物はもちろん、口の中に存在する微生物も、毎日の生活の中で飲み込まれています。
また、唾液には口の中を洗い流したり、口腔内の環境を保ったりするさまざまな働きがあります。
そのため、口の中の環境を単独の「歯の問題」として考えるだけではなく、消化器を含めた体全体の健康の一部として考えてみることにも意味があります。
#5 - 口内環境と消化器の健康について
近年、口腔内の細菌叢と、口から離れた場所にある体の健康との関係について、研究が進められています。
口腔内の細菌叢と消化器の健康との関係についても研究されており、H. pylori(ヘリコバクター・ピロリ菌)や、IBS(過敏性腸症候群)などの消化器の状態との関連についても調べられています。
Cass Nelson-Dooley, MS氏の著書 Heal Your Oral Microbiome でも、口と腸のつながりについて詳しく紹介されています。本書では、口腔内の健康状態と、H. pylori感染やIBSなどの消化器の状態との関係について調べた研究が紹介されています。
その中では、こうした状態にある人たちについて、口腔内の健康状態にも目を向けながら検討した研究が紹介されており、口腔衛生や口内環境を整えることが、一部のケースではよりよい経過と関連している可能性について述べられています。
このような内容を見ると、消化器の健康について考える時には、腸や胃だけを見るのではなく、口の中で何が起きているのかにも目を向けてみることは興味深い視点だと感じます。
ただし、これらの研究から、口腔内の環境を整えることだけでH. pylori感染やIBSを治療したり、改善したりできると結論づけることはできません。口内環境と消化器の健康にはさまざまな要因が関係しており、この関係については、今後さらに研究が必要とされています。
消化器の健康は、口内環境だけでなく、ストレスや感情面とも関係しています。
#6 - 胃酸逆流と口内環境
逆方向の関係にも目を向けることができます。
胃酸逆流がある場合、胃酸が口の中まで上がってくることで、歯のエナメル質が酸による影響を受けることがあります。
そのため、歯の状態に変化がある時には、歯磨きや食生活だけでなく、胃酸逆流など消化器側の状態についても一度振り返ってみることが大切です。
歯茎からの出血や炎症、歯の痛みなどが続いている場合は、自己判断で様子を見るのではなく、歯科医に相談することも大切です。
胃酸逆流や胸やけについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
#7 - 日常生活でできること
口内環境を整えるために、普段の生活の中でできることもあります。
たとえば、
甘いものを摂りすぎないようにする
歯磨きを毎日の習慣にする
デンタルフロスなどを適切に使う
舌の清掃を取り入れる
定期的に歯科検診を受ける
胃酸逆流など、消化器の状態にも目を向ける
などです。
キシリトールを含む製品などについても、口腔ケアの選択肢のひとつとして考えることができますが、基本的な歯磨きや歯科検診の代わりになるものではありません。
#8 - 最後に
口内環境と消化器の健康は、普段は別々のものとして考えがちですが、口は消化器の入口でもあり、お互いに全く関係のないものではありません。
もし長い間、消化器の症状が気になっていたり、消化器の状態と口内環境の両方について気になることがある場合は、それぞれを別々の問題として考えるのではなく、ご自身の健康状態を全体として振り返ってみるのもよいかもしれません。
ホメオパシーのコンサルテーションでは、現在の症状だけでなく、これまでの健康状態や体調の変化、日々の生活などについてお話を伺いながら、その方の個々の状態に合わせてレメディを検討します。
「自分の状態について一度話してみたい」という方には、15分のオンラインお試しチャットもご用意しています。
また、ご自身に合わせたサポートについて相談してみたい方は、下のボタンからコンサルテーションをご予約いただけます。
All the best for your healing journey!
Love and gratitude
Hiroko
Reference
Nelson-Dooley, C. (2019). Heal Your Oral Microbiome: Balance and Repair Your Mouth Microbes to Improve Gut Health, Reduce Inflammation and Fight Disease. Ulysses Press.



