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生理痛とホメオパシー

2022年11月15日
読了時間: 12分

更新日:9月21日

生理痛はよく見られる症状の一つですが、痛みの感じ方や月経前後の心身の変化は、人によって異なります。


この記事では、生理痛やPMS(月経前症候群)について、ストレスや生活習慣などの要因にも目を向けながら、ホメオパシーで伝統的に考えられてきたレメディについてご紹介します。



薬局窓口でも相談の多い月経痛。


多くの女性が悩んでいると言われる月経痛、生理痛、PMS(月経前症候群)。月経不順、生理不順を伴う方もいるでしょう。


人によって要因は様々なので、本当はホメオパスときちんとコンサルテーションをしてもらうのが、最良の方法ですが、やはり困っている方が多いので、ここに書くことにしました。


初潮からしばらくは、生理が不安定なのはよくあることで、思春期に入り、自分のリズムを作ろうとして、ホルモンバランスを整えているため。


月経のアンバランスは、体の中で何が起こっているのかを、伝えようとしているサインでもあります。ここで、その信号を受け止め、見つめ直す時間を作ることも大切となってきます。


生理痛やその他の月経に伴う症状に対して、一般的な医療では、低用量ピルなどのホルモンを使った避妊法が選択肢の一つとして検討されることがあります。症状の管理に役立っている方もいれば、別の方法を検討したいと感じる方もいるでしょう。


ピルはホルモンを用いて排卵を抑制し、月経周期に変化を与えることで作用します。そのため、ピルを服用しているときに起こる出血は、自然な月経周期における月経とは、生理学的に同じものではありません。


ホリスティックな視点からは、自分自身の月経周期にも目を向け、周期の中で痛みやその他の症状、気分やエネルギーなどにどのような変化があるのかを観察してみることも大切だと私は考えています。


これは、ホルモンを使った避妊法が適していない、あるいは薬を中止・変更したほうがよいという意味ではありません。薬の変更や中止については、必ず医師などの医療専門家に相談してください。そのうえで、自分の身体の変化を知り、自分にとってどのような方法が適しているのかを考えていく、ということです。


月経に伴う症状は、時間の経過とともに変化することもあります。目の前の症状だけを見るのではなく、気分やエネルギー、睡眠、その他の身体の変化を含めて、月経周期全体のパターンに目を向けてみることも大切だと私は考えています。


こうした変化を記録しておくことは、自分自身の月経パターンを知ることにつながり、医療専門家やホメオパスに健康状態について相談する際にも役立つ情報になるでしょう。


月経痛もピルを使ってはいないけれど、痛み止めで、何とか毎月乗り切っているという方も多いでしょう。


また生理痛と共に、生理不順でお困りの方にも、ぜひ読んでいただきたいです。


今回は、ホルモンバランスを整え、生理痛を和らげるための、5つの秘訣をお話しします。


#1 - ストレスを溜めない


試験、受験、仕事の交渉、仕事の期限など、普段から、ストレスに晒されることが多い現代の生活。ストレスに晒されると、人は「Fight or Fright(戦いまたは恐怖)」といって、今の現状を生き残るべく、人の体は、ストレスホルモンが放出され、危険な状況に対応できるように体が働いて行きます。


人間の体は「生き残り」が最優先。生殖機能の働きは、危険な状況を体が感知すると「後回し」になってしまいます。


性ホルモンを作るために使われる(Pregnenoline : プレグネノロン)は、ストレス対応のためにも、利用されます。ストレス対応のために、これが多く取られてしまうと、性ホルモンを作って産生するための分け前が、少なくなり、足りなくなってしまいます(図1)。


図1 :Pregnenolone Steal (プレグネノロンの盗用)Instagram:hirokohomeopathyより




そのため、ストレスを溜めない生活が大事。「そうは言っても・・」という方もいらっしゃるでしょう。人によってはストレスを溜めやすい性格もあります。自分で「なぜ、ストレスを溜めてしまうのか?」の独自のパターンを観察し、理解して付き合うのも一つです。


Adaptogen(アダプトジェン)という種のハーブは、ストレスに対応しやすくしてくれるハーブ。Ashwagandha(アシュワガンダ) やRhodiola rosea(ロディオラロゼア)といったハーブのサプリメントを取り入れるのも一つ。


Magnesium(マグネシウム)は神経に働き、リラックスさせてくれるミネラル。ストレスの多い現代の生活では、ほとんどの人が足りないと言われています。ストレスを感じるときには、質の良いMagnesiumのサプリメントを取るのも良いでしょう。


Zinc(亜鉛)は生殖器に大事なミネラル。毎日食事から、足りないときにはサプリメントも併用しましょう。


VitaminC(ビタミンC)は抗炎症作用があります。ストレス下においては、常に補給しておきましょう。食事から、または必要な時はサプリメントを利用して補給するようにしましょう。


Caffeine(カフェイン)を摂る事で、一時的に副腎を刺激し、ストレスホルモンのレベルを上げ、危機に対応しやすくしてくれます。しかし、過剰に利用すると、副腎が疲弊をきたし、ホルモンバランスが崩れてくることがあります。

ホルモンバランスが崩れているときは、リズムを取り戻すまで、量を控えた方がいいでしょう。



#2 - 規則正しい生活習慣を


睡眠は、ホルモンバランスを戻してくれる、体が回復する時間です。時差ぼけや、夜遅くまで起きていると、この回復のチャンスを逃してしまいます。

中医学では、睡眠の時間は、臓器の回復時間と相対していることが言われています。最低でも、夜10時から2時までの間は、寝ておくようにしましょう。


食生活においては、ビタミン、ミネラル、タンパク質などといったバランスも大事ですが、時間を決めて食べるようにしましょう。

仕事が忙しくて食事を抜いたりすると、体に負荷がかかり、ホルモン分泌に影響を及ぼします(飢餓モードに入り、生殖ホルモンは後回しになってしまいます)。


便秘がちな方は、不要になったホルモンが腸から再吸収され、ホルモンバランスを崩すこともあります。発酵食品を食事に取り入れ、難しければ、プロバイオティクスを活用しましょう。

食事に気をつけ、便秘を解消しただけで、生理痛がよくなった、という方もいます。

規則正しい排便のリズムを作り出して行きましょう。



#3 - 合成物、化学薬品、添加物、重金属など、不要なものを体に入れないようにしましょう


食べるときに、食事に入っている添加物や、包装や容器に入っているプラスチックやアルミなど、その他にも、調理時に使う器具が化学物質でコーティングされているものなどは、溶け出して、ホルモンバランスにも影響すると言われています。

これらのことを「内分泌かく乱物質」と言い、「環境ホルモン」や「ゼノエストロゲン(xenoestrogen)」とも呼ばれています。


食べ物を買う時、調理、保存する時のプラスチック容器や、ペットボトルの利用はできるだけ控えるようにしましょう。


また、農薬、添加物、保存剤なども、気をつけましょう。できるだけ、有機、無農薬の食べ物を利用し、調理器具、調理方法にも気をつけて食事をしてください。


体につけるクリームや化粧品なども、皮膚を通して吸収されます。成分表示を確認し、自分の皮膚につけるものにも気を使うようにしてください。


さらに、重金属は、排気ガスや薬剤、調理器具から溶け出したものなどが、考えられます。また、人によっては、住んでいる地域によって、環境に重金属が多い地域もあるでしょう。


ホリスティックな視点からは、こうした日常的な曝露について知っておき、無理のない範囲で、不必要な曝露を減らせるものがないか考えてみることも大切だと私は考えています。



#4 - 身体本来の排出経路を保つ


私たちの身体には、必要のなくなった物質を処理し、体外へ排出していくための自然な仕組みがあります。肝臓、腎臓、消化器系、肺、皮膚などが、それぞれ異なる形でこうした働きに関わっています。


ホリスティックな視点では、こうした身体本来の「排出経路」がスムーズに働ける状態を保っておくことも大切だと考えます。


規則的な排便、十分な水分、適度な運動、休息など、日々の生活習慣を見直すことも、その一つです。


私は、身体に何かを無理に排出させるという意味で「デトックス」を考えるのではなく、身体が本来持っている排出の働きを妨げず、その経路をできるだけスムーズに保つことが大切だと考えています。


ホメオパシーでは、このような生活面だけでなく、その方の症状、健康状態、生活習慣やこれまでの経過などを含めて、その人全体を見ることを大切にしています。



このテーマについてもう少し詳しく知りたい方は、デトックスについて考えるときに私が大切にしている基本的なポイントと、身体本来の排出の働きについてまとめた記事もあります。




#5 - 生理にまつわる症状に、伝統的に用いられてきたホメオパシーのレメディ


生理にまつわる症状について、伝統的なホメオパシーのマテリア・メディカでは、さまざまなレメディが特徴的な症状のパターンと関連づけて記載されています。実際のレメディの選択では、生理痛があるかどうかだけではなく、その方がどのように症状を経験しているか、症状の特徴や全体的な状態などを考慮します。


ここでは、ホメオパシーのマテリア・メディカに見られる9つのレメディを例としてご紹介します。それぞれのレメディに関連して伝統的に説明されてきた症状の特徴を、参考としてまとめています。生理痛があるからといって、特定のレメディがそのまま適しているという意味ではありません。



Magnesium Phos (マグフォス)

キューっとするような痛みが、発作的にやってくる。温めることや、しっかりと押さえること、動くことで痛みが和らぐことがある。前屈みになったり、経血の流れが始まったりすると、痛みが落ち着いてくることもある。

卵巣あたりに、刺すような鋭い痛みを感じることもある。


Cimicifuga(シミシフーガ)

出血が多く、腰の痛みを伴う。痛みが骨盤全体にわたり、左右に移動するように感じられることがある。子宮が締め付けられるような痛みとともに、生理が始まる数日前から頭痛が出ることもある。

卵巣あたりだけでなく、太ももまで痛みが広がるように感じることもある。


Colocynthis(コロシンシス)

卵巣あたりに、重く、だるい痛みを感じる。前屈みになりたくなったり、痛みのためにじっとしていられなかったりすることがある。

月経が頻回に来ることがあり、食べたり飲んだりすることで痛みが悪化することもある。怒りや感情的な動揺と痛みが結びついているように感じられることもある。


Belladonna(ベラドンナ)

脈打つような、ドクドクとした激しい痛みが突然現れる。右側に症状が出やすいことがある。

経血が真っ赤で量が多く、塊を伴うことがある。熱を持っているような感じや、子宮がパンパンに腫れているような感覚を伴うこともある。横になることで痛みが落ち着くことがある。


Chamomilla(カモミラ)

痛みに対して非常に敏感で、強い痛みに耐えることが難しい。イライラしたり、怒りっぽくなったり、感情的に反応しやすくなったりすることもある。

経血が真っ赤で、一気に出るように感じられ、塊を伴うことがある。横になると症状が悪化する一方、冷たい飲み物や冷やすことによって、痛みや気分が落ち着くこともある。


Lachesis(ラケシス)

PMS(月経前症候群)に伴うイライラ、嫉妬、落ち込み、頭痛、ほてりなどが、生理が始まると落ち着いてくる。

生理初日の痛みが特に強く、左側、特に卵巣あたりに痛みを感じることがある。子宮や卵巣あたりの痛みが、経血が流れ始めると落ち着いてくる一方、経血の量が少ないと痛みが強くなることもある。


Pulsatilla(プルサティラ)

生理が不定期で、経血の量や流れ方などのパターンも変化する。重い痛みを感じ、横になると悪化することがある。

経血が暗い赤色で、濃く重たい感じがあり、日中や歩いているときに出血が起こりやすいこともある。

涙もろく、気分が変わりやすく、誰かに気にかけてもらったり、そばにいてもらったりすることを好む傾向が見られることもある。


Sepia(セピア)

生理が不定期で、早く来たり、量が多かったりする一方、遅れることもある。経血に強い臭いがあることもある。

生理痛とともに、重く引きずられるような痛みを感じ、子宮が下に落ちてくるような感覚を伴うことがある。足を組むことで落ち着くように感じることもある。

陰部から子宮に向かって、下から上へ刺すような痛みを感じることがある。性欲の低下のほか、怒り、疲れやすさ、冷え、イライラなどを伴うこともある。


Viburnum opulus(ビバーナム オピュラス)

骨盤のあたりに、重く痛みを感じたり、極端に辛い痛みを感じる。生理前に重く引きずられるような痛みがあり、生理が始まると落ち着いてくることがある。

経血に強い臭いがあったり、生理が遅れたりすることもある。キューっとするような鋭い痛みが、太もものあたりまで広がるように感じられることもある。



ポテンシーと投与量について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。




最後に


生理痛やPMS(月経前症候群)は、人によってその現れ方が大きく異なります。痛みがいつ起こるのか、どのような痛みなのか、どのような症状を伴うのかなどに目を向けることで、ご自身の症状のパターンをより詳しく知るきっかけになるかもしれません。


ホメオパシーでは、症状の名前だけでレメディを選ぶのではなく、その方に現れている症状の特徴や全体的な状態を見ることを大切にします。この記事でご紹介したレメディは、伝統的なホメオパシーの実践で取り上げられてきた例です。


生理痛が続いている、強い、悪化している、または日常生活に影響している場合は、適切な医療専門家にご相談することが大切です。ホメオパシーのコンサルテーションでは、現在の症状やこれまでの経過、健康状態、ご自身の経験などについてお話しいただき、ホメオパシーがご自身にとって適切な選択肢かどうかを一緒に考える機会にもなります。


生理や月経前後の症状について、もう少し詳しくご自身の状態を整理してみたい方は、コンサルテーションでお話ししていただくことができます。


まずは少し話をしてみたいという方は、15分のイントロダクションチャットをご利用いただけます。




ホメオパシー家庭ケア完全講座


ホメオパシー家庭ケア完全講座では、「女性の悩みとホメオパシー講座」にて、生理や女性にまつわるさまざまな悩みについて、ホメオパシーの視点から学んでいただけます。



Love and gratitude

Hiroko


参考文献 :

  • Briden, L 2nd Edition (2018) Period Repair Manual. Natural Treatment For Better Hormones And Better Periods. Greenpeak Publishing.



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