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便秘とホメオパシー

2024年5月23日
読了時間: 15分

更新日:9月13日

便秘は、日常生活の中でも比較的よく起こる消化器症状のひとつです。旅行などで生活リズムが変わったり、普段と違う食事をしたり、忙しくてトイレに行くタイミングを逃したりすることで、一時的に便秘になることもあります。


一方で、便秘が繰り返したり、長く続いたりする場合には、食生活や生活習慣だけでなく、ストレスや日々の変化など、さまざまな要因を考える必要があります。


このブログでは、便秘の主な原因や生活習慣との関係、ストレスとの関わりについてお話ししながら、便秘に対してホメオパシーでは一人ひとりの症状や体験をどのように考えていくのかをご紹介します。また、長引く便秘や気になる症状がある場合に、医療機関へ相談することの大切さについても触れています。



腹痛を感じている人がソファでお腹を押さえる。
腹痛を感じている人がソファでお腹を押さえる。


便秘は大腸の動きが鈍くなり、通常より水分の吸収が過剰に進む場合に起こります。この状態により、便が硬く、凝縮されて、さらに便を体外に出しにくくしてしまいます。


便秘が続くと、お腹の張りや腹痛などの不快感を感じたり、日常生活にも影響したりすることがあります。


一時的な便秘であれば、食生活や水分、運動、生活リズムなどを見直すことで改善することもあります。一方で、便秘を繰り返している場合には、食生活や生活習慣だけでなく、ストレスや日々の変化なども含めて、ご自身の状態を振り返ってみることが役立つかもしれません。


ホメオパシーでは、便秘という症状だけを見るのではなく、便の状態や排便のパターン、その他に感じている症状や、その人自身の経験などを含めて全体的に考えていきます。



#1 - 便秘に関係するさまざまな要因


便秘は、さまざまな要因によって起こることがあります。また、ひとつの原因だけではなく、いくつかの要因が重なっている場合もあります。


便秘に関係することのある主な要因には、次のようなものがあります。


  • 食物繊維が不足している

    食物繊維は便のかさを増やし、排便しやすくするのに役立ちます。

  • 水分が不足している

    水分が十分にとれていないと、便が硬くなり、出しにくくなることがあります。

  • 運動不足

    日常的に体を動かすことは、腸の正常な働きを促すことにつながります。

  • いつもの生活リズムが変わる

    旅行、食事内容の変化、忙しいスケジュール、いつもと違うトイレを使うことなどによって、排便のリズムが変わることがあります。

  • 便意を我慢する

    便意があっても何度も我慢していると、その後排便しにくくなることがあります。

  • 薬の影響

    一部の薬には、副作用として便秘を起こすものがあります。服用している薬が便秘に影響しているのではないかと思う場合でも、自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師に相談してください。

  • ストレスや心の状態

    ストレスは消化や腸の働きに影響することがあり、ストレスが強い時期に便秘が悪化する人もいます。

  • 妊娠

    妊娠中は、ホルモンの変化などによって便秘が起こりやすくなることがあります。

  • その他の消化器や健康上の問題

    過敏性腸症候群(IBS)など、ほかの消化器の状態に伴って便秘がみられることもあります。


このように、便秘といっても、その状態は人によってかなり異なります。


便が硬く乾燥している人もいれば、便意はあるのになかなか出ない人もいます。また、お腹の張りや腹部の不快感、排便してもまだ残っているような感じなどを伴うこともあります。


一時的な便秘であれば、食生活や水分、運動、生活リズムなどを見直すことで改善することもあります。一方で、便秘が長く続いている、何度も繰り返している、またはほかに気になる症状がある場合には、ほかの健康上の問題が関係していないかを確認するためにも、適切な医療機関へ相談することが大切です。



便秘に対してホメオパシーではどのように考えるのでしょうか?


便秘にはさまざまなパターンがあり、いくつかの要因が重なっていることもあります。そのため、ホメオパシーでは、便秘という症状だけを切り離して考えるのではなく、その人にどのような特徴があるのかを見ていきます。


コンサルテーションでは、便の状態や排便のパターン、トイレに行く頻度、便意があるかどうか、お腹の張りや腹部の不快感など、一緒にみられる症状についてもお話を伺います。


また、何をすると症状が良くなったり悪くなったりするのか、時間帯や月経周期によって変化するのか、生活リズムや気持ちの面、全体的な体調に変化がなかったかなどについても見ていきます。


便秘だからという理由だけでレメディを選ぶのではなく、その人の症状の特徴や全体的な状態をより詳しく理解することを大切にしています。


以下は、ホメオパシーの実践やマテリア・メディカにおいて、特定の便秘のパターンがみられる場合に考慮されるレメディの一例です。

便秘があるからといって、誰にでも同じレメディが適しているという意味ではありません。



#2 - 感情と便秘


旅行などで生活習慣や食事が変わると、一時的に便秘になることがあります。一方で、便秘が長く続いている場合には、日々の生活だけでなく、感情や生活環境との関係について考えてみることもできます。


以前のブログ 「病気の原因」 では、身体に現れる症状と感情との関係について書いています。




ここでは、便秘と感情との関係についても触れてみたいと思います。「病は気から」という言葉があるように、心と体は密接につながっています。ただし、これは感情だけが身体症状の原因になるという意味ではありません。私たちが経験するストレスや感情が、身体の感じ方や日々の体調に影響することもあります。


心理的・ホリスティックな考え方の中には、「排泄すること」が、子どもの頃の経験や、その頃から身についた心のパターンと関係していると考えるものがあります。


親から厳しくコントロールされて育った子どもは、さまざまな形でそれに反応することがあります。たとえば、親から出された食べ物を「食べるのか、拒むのか」ということも、そのひとつです。そしてもう一つは、排泄に関すること、つまり「出すのか、それとも我慢するのか」ということです。


便を出すという行為は、ある意味では、「手放す」「委ねる」という行為として象徴的に捉えることもできます。そのため、便秘は、便を体内にとどめることで、「自分にはここで力がある」、あるいは「自分でコントロールできる」という感覚を保とうとする状態として捉えられることがあります。


成長していくにつれて、親との関係だけでなく、パートナー、先生、職場の同僚や上司など、さまざまな人との関係が私たちの生活に関わってきます。このような視点から見ると、便秘は、自分が無力だと感じること、コントロールされていると感じること、あるいは自分よりも力を持っていると感じる相手を怖いと思うことなどと関連している場合があるとも考えられます。


また、人間関係、恋愛、お金のこと、知らない場所への旅行など、安心できない、落ち着かない、なかなか気を緩められないような状況で、便秘を感じる人もいます。


肛門の筋肉を締めて便を我慢するのと同じように、恐れや怒りなどの感情も抑え込んでしまうと、感情を表現するのではなく、内側にため込むことに慣れてしまうことがあります。


また、毎日の予定に追われていると、立ち止まって自分が何を感じているのかを考えたり、その感情をゆっくり整理したりする時間を持てないこともあります。


自分の感情を否定したり、無理に違うものとして扱ったりするのではなく、自分が本当は何を感じているのかに気づき、それを適切な形で表現し、表現した後は少しずつ手放していくことも大切です。


このような視点から見ると、繰り返す便秘について考えるときに、


「自分の気持ちをうまく表現できない」

「何かを手放せずにいる」

「無意識のうちに何かを拒んでいる」


といった、自分自身のより広いパターンを振り返ってみることもできます。


これは、感情が必ず便秘の原因になっているという意味ではありません。便秘という身体症状を、自分自身の経験や感情も含めた、より広い視点から見てみるためのひとつの考え方です。



#3 - どうやって感情を解き放つ?


ここまで読んで、便秘と一緒にみられる自分の気持ちや経験について、何か思い当たることはありますか?


  • 「私がこうしたら、みんな喜んでくれるかな?」と考えて、人の気持ちを優先し、相手を喜ばせようとしてきたことはありませんか? その一方で、自分の気持ちや望みは、同じようには大切にされていないと感じたことはないでしょうか。

  • 自分の感情を表現したときに、拒絶されたり、理解してもらえなかったりした経験はありませんか? その経験から、今では自分の気持ちを表現することが怖くなっているのかもしれません。

  • 理由をうまく説明できないような感情がこみ上げてきて、ただ泣きたくなったことはありませんか?


もし、このようなパターンに思い当たることがあれば、まずはその時々の自分の気持ちを、少しずつ正直に表現することから始めてみるのもよいでしょう。


自分の気持ちを表現することで、相手に「私はこれをされたくない」「ここまでは大丈夫だけれど、これは嫌だ」ということを理解してもらう機会が生まれます。


自分の気持ちを伝えずに我慢していると、相手は自分の境界線を越えていることに気づかず、「これくらいなら大丈夫」と思ったまま、同じことを続けてしまうことがあります。


自分の気持ちを表現し、相手に理解してもらい、そして自分自身にも正直でいられるような状況を、少しずつ作ってみてください。


長い間抑えてきた感情を、突然表現するのは、最初は少しぎこちなく感じるかもしれません。でも、自分の感情に気づき、それを表現する方法を学んでいくこと自体も、大切なプロセスです。


無理をせず、自分にとって自然で、心地よい方法を探してみてください。


もし、自分の気持ちを直接言葉にすることが難しければ、まずは紙に書いてみることから始めてもよいでしょう。ジャーナルを書くことは、自分の考えや感情を言葉にして、自分の外へ表現するための、誰にも邪魔されない時間を作る方法のひとつです。

私のブログ 「ジャーナルをつけよう」 では、ジャーナルを続けるためのヒントについて書いています。




便秘に対してホメオパシーではどのように考えるのでしょうか?


便秘にはさまざまなパターンがあり、いくつかの要因が重なっていることもあります。そのため、ホメオパシーでは、便秘という症状だけを切り離して考えるのではなく、その人にどのような特徴があるのかを見ていきます。


コンサルテーションでは、便の状態や排便のパターン、トイレに行く頻度、便意があるかどうか、お腹の張りや腹部の不快感など、一緒にみられる症状についてもお話を伺います。


また、何をすると症状が良くなったり悪くなったりするのか、時間帯や月経周期によって変化するのか、生活リズムや気持ちの面、全体的な体調に変化がなかったかなどについても見ていきます。


便秘だからという理由だけでレメディを選ぶのではなく、その人の症状の特徴や全体的な状態をより詳しく理解することを大切にしています。


以下は、ホメオパシーの実践やマテリア・メディカにおいて、特定の便秘のパターンがみられる場合に考慮されるレメディの一例です。


ここでは、便秘という同じ症状でも、便の状態や排便のパターン、そのほかにみられる症状やその人自身の特徴によって、ホメオパシーでは異なるレメディが考えられることを紹介しています。


便秘があるからといって、誰にでも同じレメディが適しているという意味ではありません。



#4 - 便秘に対して考えられるホメオパシーのレメディ


以下は、ホメオパシーの実践やマテリア・メディカにおいて、特定の便秘のパターンがみられる場合に考慮されるレメディの一例です。


便秘があるからといって、誰にでも同じレメディが適しているという意味ではありません。実際には、便の状態や排便のパターン、その他の症状、その人自身の特徴などを含めて考えていきます。


Ambra Grisea(アンブラ・グリセア)

Ambra Griseaは、外出先や公衆トイレ、使い慣れていないトイレなどで、恥ずかしさや居心地の悪さから排便しにくい場合に考えられるレメディです。

子どもの場合には、便を出すことに違和感や怖さを感じたり、シャイで、すぐに恥ずかしがる傾向がみられることもあります。


Alumina(アルミナ)

Aluminaは、旅行中など、予定が詰まっていて、排便するタイミングを何度も逃してしまった場合に考えられるレメディです。

便は硬く、乾いていて、塊になっていることがあり、排便するのがとても難しい場合があります。便意をほとんど、または全く感じないことや、直腸周辺に痛みやかゆみを感じることもあります。


Baryta Carb(バリタ・カーブ)

Baryta Carbは、硬く節のあるような便を伴う便秘の場合に考えられるレメディです。

全体的に内気で控えめな傾向がみられることもあり、Calcarea Carbのタイプよりも内気であることが特徴として挙げられます。


Calc Carb(カルク・カーブ)

Calcarea Carbは、腸の動きがゆっくりしていて、便が大きく硬い場合に考えられるレメディです。

排便が全体的にゆっくりしている傾向があり、便秘そのものをそれほど苦痛に感じない、あるいは便秘の状態のほうがかえって落ち着くように感じることもあります。


Hydrastis(ハイドラスティス)

Hydrastisは、便秘がかなりひどく、直腸周辺に強い不快感を伴う場合に考えられるレメディです。

痔ができそうな感じ、肛門周辺が擦り切れたような感覚、排便後も残る痛みなどがみられることがあります。出血を伴うこともあります。

また、お腹が下がったような、重く引っ張られるような感覚が全体の症状の一部としてみられることもあります。

妊娠中に便秘が長く続く場合や、痛み・出血を伴う場合には、レメディのセルフケアだけで対処せず、適切な医療機関にも相談してください。


Lycopodium(ライコポディウム)

Lycopodiumは、便が硬く小さく、まだ残っているような感じがするのに、完全に出し切れない場合に考えられるレメディです。

お腹の張りやガスが多く感じられたり、特に悪臭の強いガスを伴ったりすることがあります。また、特に午後になると疲れを感じることも、全体の症状の一部としてみられます。


Natrum Muriaticum (Nat Mur)(ナット・ミュア)

Natrum Muriaticum(Nat Mur)は、便が硬く乾いている、または、どんなにいきんでも小さくコロコロした便しか出ない場合に考えられるレメディです。

これらの症状が月経前に起こることもあります。

ホメオパシーのマテリア・メディカでは、グルテンに敏感な人の全体像として、胸やけ、吐き気、お腹の張り、食欲のムラ、疲れなどの消化器症状がみられる場合も記載されています。


Nux Vomica(ナックス・ボミカ)

Nux Vomicaは、便意はあるのに、トイレに行ってもなかなか便が出ない場合に考えられるレメディです。

便が詰まっているような感じや、腸がすっきり空になっていないような感覚があり、それに伴ってイライラすることもあります。

特に下剤を使用した後に症状が悪化した場合や、月経前にこのような症状がみられる場合もあります。


Opium(オピウム)

Opiumは、非常に頑固な便秘で、便が腸の中を動いているような感覚がほとんど、または全くない場合に考えられるレメディです。


Sepia(セピア)

Sepiaは、直腸周辺に重さや圧迫感を感じ、それに疲れやイライラを伴う場合に考えられるレメディです。

これらの症状が月経前にみられることもあります。


Silica(シリカ)

Silicaは、直腸の感覚が鈍い、または麻痺しているように感じる場合に考えられるレメディです。

便が出てきそうなのに、また引っ込んでしまうような感覚があったり、一生懸命いきんだ後に柔らかい便が出て、疲れ切ってしまったりすることがあります。

妊娠中にレメディの使用を考える場合は、自己判断せず、ホメオパスおよび適切な医療専門家に相談してください。


Sulphur(サルファー)

Sulphurは、小さく、硬く、乾燥した便の場合に考えられるレメディです。

便秘と下痢が交互に起こるパターンがみられることもあります。子どもの場合には、排便時の痛みを怖がり、便を出すことを嫌がることもあります。



これらは、ホメオパシーにおいて便秘という同じ症状でも、人によって考えられるレメディが異なることを示す一例です。便秘があるという理由だけでレメディを選ぶのではなく、その人にみられる症状の特徴や、全体的な状態を考慮していきます。


便秘が長く続いている、繰り返している、または気になる症状を伴っている場合には、適切な医療機関に相談することも大切です。ホメオパシーのコンサルテーションでは、ご自身の症状や健康状態、これまでの経過などについて、より詳しくお話しいただくことができます。



#5 最後に …


一時的な便秘であれば、まずは食生活や水分、運動、生活リズムなど、日常の中でできることから見直してみるのもよいでしょう。


上記でご紹介したレメディは、ホメオパシーの実践やマテリア・メディカにおいて、特定の便秘のパターンがみられる場合に考慮される一例です。便秘があるからといって、誰にでも同じレメディが適しているという意味ではありません。



どのような場合に医師へ相談したほうがよいでしょうか?


便秘はよくある症状ですが、排便習慣の変化をすべて単なる便秘だと考えないことも大切です。


便秘が長く続いている、繰り返している、または血便、原因のわからない体重減少、続く腹痛、普段とは異なる急な排便習慣の変化などがある場合には、医師など適切な医療専門家に相談してください。


症状が続いたり、便秘が以前よりもつらくなったり、「おかしいな?」と感じる場合には、セルフケアだけに頼らず、適切な医療機関に相談することが大切です。


ホメオパシーレメディのポテンシーや投与量について知りたい方は、こちらのブログをご参考ください。




また、「急性」と「慢性」の処方の違いについてでは、これらの処方の考え方についてご紹介しています。



一方で、便秘を繰り返している、長く続いている、症状の組み合わせが複雑で「自分の場合はどう考えたらよいのかわからない」と感じている場合には、一人で判断するのではなく、ご自身の状態をもう少し丁寧に見ていくことも選択肢のひとつです。


ホメオパシーのコンサルテーションでは、現在感じている症状だけでなく、これまでの経過や生活の変化、その症状をどのように感じているのかなども含めてお話を伺います。


便秘について、またはご自身の体調について一度相談してみたいと思われた方は、コンサルテーションの詳細をご覧いただくか、オンラインでのご予約をご利用ください。



コンサルテーションの予約はこちらから。



Love and gratitude

Hiroko



Reference :

  • Your Body Speaks Your Mind, Deb Shapiro. Piatkus Books Reprinted 2008

  • 新訂目で見る体のメカニズム、堺章、医学書院



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