更年期とホメオパシー
更新日:9月21日
更年期は人生の自然な一つの節目ですが、その時期に感じる変化や症状には、大きな個人差があります。
ほてり、寝汗、不眠、気分やエネルギーの変化など、さまざまな症状が日々の生活に影響することもあります。
この記事では、更年期をどのように捉えるか、症状にどのような個人差があるのか、そしてホメオパシーでは一人ひとりの状態をどのように考えていくのかについてお話しします。

更年期や更年期移行期には、さまざまな身体的・感情的な変化が起こることがあります。ホメオパシーでは、一人ひとりの症状の特徴や、これまでの健康状態、そしてその人自身の経験などを考慮して、レメディを選んでいきます。
「イライラ」「動悸」「のぼせ」「ほてり」「めまい」「不眠」など、出てくる症状は多岐にわたり、個人差が大きいのも特徴の一つです。
更年期は、昔からさまざまな捉え方をされてきました。人が歳を重ねていく中で、多くの女性が経験する自然な人生の一つの節目である一方、現代ではまるで病気であるかのように、深刻に受け止められることもあります。
なぜ、この時期に悩む女性が多いのでしょうか?
#1 -「更年期」の捉え方
「更年期」において不安を抱えている女性は多く、更年期を迎えることに、さまざまな思いを抱く人もいます。
「子どもを産む機能が変化し、女性としての価値を感じられなくなる」など、「歳をとり、老いていく」という印象が強く、「もう若くない」という印を押されたような「喪失感」に悩まされる女性もいるでしょう。
本当に失うことばかりなのでしょうか?
「自由」の獲得
また、「歳をとる」ことに対する不安は、女性の価値を若さや美しさ、出産などと結びつけてきた社会の価値観によって形づくられてきた部分もある、という見方があります。
女性を「子どもを産む」という「子孫繁栄」における「身体的な存在」だけに焦点を当てる考え方に、否定的な意見もあります。女性が「若い」「生殖機能を持つ」ことだけに価値を見出す考え方です。
また、宗教や文化によっては、月経が歴史的に「不浄」や「分離」と結びつけて考えられてきたこともあります。
「更年期」を迎えることで、こうした社会的な価値観や束縛から解放される、という考えを持つ人もいるようです。
「叡智」の象徴
更年期のことを「Wise Woman」(知識や経験の豊かな女性)という考え方で捉え、年齢を重ねた女性の知識や経験を尊重する表現もあります。
1493年に生まれ、活躍したスイスの医師、化学者、錬金術師、神秘思想家であるパラケルススも、正式な教育機関の外にある知識や経験から学ぶことの大切さについて述べています。
『Women Ripening Through the Menopause』(p.36)では、パラケルススの言葉として、次のように紹介されています。
”A doctor must be seek out old wives, Gypsies, sorcerers, wandering tribes, .... and learn from them”
「医師は年配の奥さんや、ジプシー、魔法使い、放浪する部族たちを捜し求め・・・・彼らから学ぶべきである」
当時の言葉や考え方には、現在とは異なる部分もありますが、正式な教育機関だけではなく、さまざまな人々が持つ経験や知識から学ぶことの大切さを示しているように思います。
また西洋では「魔女狩り」と呼ばれる歴史があり、植物や自然に関する知識、伝統的な教えなどを持つ人々が「魔女」として扱われたこともありました。ただし、魔女裁判の歴史は国や時代によって複雑に異なっています。
「魔女」というと日本では、ディズニーの物語、「白雪姫」や「眠れる森の美女」などに出てくる、黒い衣装を着た「意地悪な魔女」を想像するかもしれません。
しかし、実際に「魔女」と言われていた人たちは、その多くが女性で、長年言い伝えられてきた知識を活かし、人を癒す人たちだったと言われています。
上記のように、調べていくと、「更年期」に対する考え方も、歴史を経て変わってきたものがあるようで、何も「若さを失うもの」だけではないことも見えてきます。
女性は、それぞれの人生を通して、さまざまな知識や経験、ものの見方を蓄えていきます。毎日の生活の中から生まれ、工夫して培ってきた、その「豊富な知識」を持っている自分を、どうぞ讃え、誇りにしてください。
#2 - 大きく個人差のある「更年期」の症状
女性の「更年期」の症状は、それぞれ個人差が大きいのが特徴です。家族の更年期の経験が、自分自身の更年期について知るための一つの参考になることもあります。
機会があれば、母親やほかの女性の家族に、「いつ頃、月経に変化があったのか?」「どんな症状があったのか?」などを聞いてみるのもよいでしょう。
ただし、家族の経験から、自分がいつ更年期を迎えるのか、どのような症状が出るのかを正確に予測できるわけではありません。
また、友人とオープンに恥ずかしがらずに話していくことで、悩みをシェアし、お互いの知識を交換することも、一つの方法でしょう。
ホメオパシーの観点から見ると、更年期の症状は、「それまでの月経の状態」、「ピルを使ったことがあるかどうか」、「生活習慣」、「ストレス状態」など、その人の全体的な状態やこれまでの経過によって、アプローチが変わってきます。
生活習慣
「生活習慣」においては、普段から、食べるものや身の回りで使うものに目を向けてみることも大切です。
私たちは、食べ物や空気、日常的に使うさまざまな製品を通して、多くの化学物質にさらされています。その中には、体内の内分泌系に影響を与えることが知られている、または疑われている「内分泌かく乱化学物質(Endocrine-disrupting chemicals:EDCs)」と呼ばれるものもあります。化粧品、家庭用品、農薬など、さまざまな製品や環境中に存在することがあります。
こうした物質への曝露にはさまざまな経路があり、皮膚からの接触や、空気中の物質を吸い込むことなども考えられます。普段から使っているものについて、少し意識してみるのもよいでしょう。
一度にすべてを変える必要はありません。まずは、普段よく使うものから見直し、無理のない範囲で、よりシンプルなものや自然由来の成分を使ったものを選ぶことを考えてみてもよいでしょう。
ストレス
ストレスがあると、身体的・感情的な症状の感じ方に影響したり、睡眠や気分、全体的な wellbeing に影響したりすることがあります。
更年期や更年期移行期には、自分のストレスのパターンに気づき、日常の中で無理なくストレスを管理する方法を見つけていくことも大切です。
休む時間をつくること、適度に身体を動かすこと、自然の中で過ごすこと、あるいは普段の役割から少し離れて、自分のための時間を持つことなども、その一つでしょう。
一般に、12か月間月経がない状態になった時点を「閉経」といい、その前後に月経周期やさまざまな症状が変化していく時期を「更年期」と呼びます。閉経に向かう時期は「更年期移行期(perimenopause)」と呼ばれます。
女性の「更年期移行期」に差し掛かる40代や50代は、「子どもが育ってきて手が離れてきた」ことで、自分の今後の人生を見直したり、「仕事に復帰」したりする時期でもあります。また、仕事を続けてきた女性は、「重要なポストを任される年代」に入ってきたりすることもあります。
今まで夢中で駆け抜けてきた20代、30代とは違って、人生の転換期となり、今後の人生を考え直したり、ストレスを感じる女性もいることでしょう。
日頃から、自分の「ストレスパターン」を見直し、「ストレスを管理する方法」を見つけていくことが大切です。
自分自身のニーズに気づき、この時期に自分を大切にすることを忘れずに。
#3 - ホメオパシーでできること
ホメオパシーでは、上記の「個々それぞれの状態」と、「現在出ている症状の特徴」をもとにして、その人に合ったレメディを選択していきます。
生活習慣について話し合い、見直すことも大切です。また、ストレスを感じやすい場面や、日頃の過ごし方などについてもお話を伺いながら、その方の全体的な状態を考えていきます。
「更年期」に関連して考えられるレメディは多岐にわたり、どのレメディが考慮されるかも、一人ひとり異なります。
以下は、ホメオパシーのマテリアメディカで、「寝汗」や「ほてり」など、特定の症状のパターンとともに伝統的に考えられてきたレメディの一部です。更年期に対するレメディの一覧や、自己処方をおすすめするものではありません。症状が続いたり、繰り返したり、複雑な場合には、個々の症状や健康状態を含めて、ホメオパスに相談することをおすすめします。
Sepia (セピア)
ほてりが夕方や夜に悪化し、ちょっとした動きで汗をかく。疲れがちで、体を動かすことで気分が良くなる傾向がある。感情面では、愛する人に対して、みじめな気持ちになったり、無関心、冷淡になったりすることがある。
Lachesis (ラケシス)
ほてりが顔に現れ、腹部に締め付け感を感じることがある。夜に悪化し、不眠、集中力の低下、失神しそうな感覚などを伴うことがある。ピタッとした服を嫌い、特に首の周りの締め付けを嫌う傾向がある。活動的で、はしゃいでおしゃべりになりやすい。朝起きた時に頭痛が起こることがある。症状が左側に起こることも多く、疑念を抱いたり、嫉妬深くなったりすることがある。
Pulsatilla (プルサティラ)
発汗とほてりが顔に出ることがあり、夜に悪化する。暖かい部屋や室内で悪化し、外気や新鮮な空気で楽になる傾向がある。気分が落ち込みやすく、涙もろくなることがあり、むくみなどを伴うこともある。人と一緒にいることで気持ちが落ち着くことがある。
Amyl Nitrosum(アミル ニトロサム)
首のあたりが詰まったように感じ、熱を感じることがある。ほてりや頭痛が、不安や動悸とともに現れることがある。外気で楽になり、首のあたりを締め付ける服、暑さ、締め切った暑い部屋、ちょっとした感情の変化などで悪化する傾向がある。
Belladonna(ベラドンナ)
頭が詰まったような感じがして、顔が赤くなることがある。突然ほてりが出たり、引いたりする。肌が焼けるように熱く感じ、服で覆われている部分に汗をかいたり、熱く感じたりすることがある。座っていると落ち着き、横になると悪化する傾向がある。
Calc Carb (カルク カーブ)
頭の部分だけに汗をかくことがある。疲れやすく、顔や頭に血がのぼるような感じがして、ほてりや発汗が起こる。食後に悪化し、寒さに敏感で、膝や足が冷たく感じることがある。乾燥した天気で楽になり、寒さ、湿気、満月、頭や体力を使った時などに悪化する傾向がある。
Glonoin (グロノイン)
頭のみに熱を感じ、顔には特に変化がないことがある。特に感情が激しい時に、体がドクドクするように感じたり、動悸がしたりする。熱、日光、刺激、横になることなどで悪化し、外気に触れたり、頭を上げたりすることで楽になる傾向がある。
Graphites(グラファイテス)
青白い顔でありながら、ほてりを感じることがある。匂いの強い生理があり、体重が増えやすい傾向がある。皮膚が乾燥していることもあり、温かく包まることで楽になり、夜に悪化する傾向がある。
Sulphur(サルファー)
夜、ベッドの暖かさからほてりが出て、焼けるような感覚や痒みを感じることがある。頭は熱っぽい一方で、足は冷えている。顔や体に汗をかき、頭に血が上るような感覚や、詰まったような感じがすることもある。乾燥した暖かい天気で楽になり、立っている時、シャワーやお風呂、ベッドの熱などで悪化する傾向がある。
ポテンシーと投与量について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。
#4 - 最後に
「更年期」に対する見方が、時を経て変わってきていることを念頭に置いて、あまり落胆しすぎないようにしてください。
このブログが、私と同じような年代、また若い年代の方々が、「少しでも元気になってくれるといいな」という願いを込めて、書きました。
失うことばかりに目を向けず、得られるものにも焦点を当てて、前向きに過ごしていきましょう。

秘訣としては:
更年期を迎える時期は、一人ひとり違います。
だからこそ、年齢や周囲の情報だけで決めつけるのではなく、その時々の自分の体調や気持ちに目を向け、自分をいたわる時間を大切にしてほしいと思います。
ご自身の更年期についてもう少し詳しく話してみたい方には、ホメオパシーのコンサルテーションで、現在の症状やこれまでの健康状態、そしてご自身がどのように変化を感じているのかをお話しいただくことができます。
コンサルテーションについて詳しく知りたい方は、下記からサービス内容をご覧いただけます。
まずはコンサルテーションについて質問してみたいという方は、15分のイントロダクションチャットもご利用いただけます。
更年期については、ホメオパシーオンライン講座でも、「プレ更年期・更年期とホメオパシー」という講座で情報を提供しています。
Love and gratitude
Hiroko
参考文献 :
Women Ripening through the Menopause, Melissa Assilem Helios Pharmacy, Third Edition 2003.
Period Repair Manual, Lara Briden. Greenpeak Publishing. Revised Second Edition 2018
Hormone Repair Manual, Lara Briden. Greenpeak Publishing. First Edition 2021
The Modern Guide To Witchcraft Your Complete Guide to Witches, Covens & Spells, Skye Alexander, Adams Media. First Edition 2014



